手紙のススメ vol.3 手紙ことはじめ 一筆添える習慣から
株式会社山櫻のセカンドブランド +lab(プラスラボ)のクリエイティブディレクター 大場敦子さんによる連載企画「WATASHINO的 手紙のススメ」では、手紙もひとつのコミュニケーションツールでありビジネスツールであると考え、“「ワタシ」を印象付ける”をキーワードに手書きの手紙にまつわるコラムをお届けします。
一筆添える習慣をつけておくと...
オフィスでは書類や資料、商品や備品、たまにはお土産なんかも…、モノの受け渡しが日々行われています。日常のモノの受け渡しをする際に一筆添える習慣をつけておくと、いざ手紙を書こうというときにすんなり書きはじめることができます。
とはいえ、慌ただしい日常の中でモノの受け渡し全てに一筆添えるというのは非効率的です。ここぞというときや、いつもと変化をつけたいとき、少し気持ちと時間に余裕があるときなどに一筆添えてみましょう。
一筆添えるという行為、ちょっとだけ仕事の効率化にもつながります。
例えば、早急に確認して欲しい書類を上司に渡すとき「何をいつまでに確認して欲しいか」を明記します。書く紙はあまり小さくない方がいいでしょう、付箋でも構いません。
そうすることで、数ある書類に目を通さなければならない上司が、書類の隅々まで目を通さずとも何をいつまでにすればいいのか即座に判断できます。また、渡した書類を後回しにされて忘れられるなんて確率も低くなるはずです。いつも後回しにされがちな方はぜひ試してみてください。
大袈裟に言ってしまえば、一筆添えることは、相手のことを思って書く手紙の基本にもつながるはずです。相手(上司)の立場、時間、状況などを考えた上で、自分の伝えたいこと(要求)を伝わるようにするにはどうしたらいいかを考えて、内容や伝え方を考える…。
離席が続いた後、デスクにグチャグチャに置かれた書類の山、仕事とは言え上司だってうんざりです。一見して何をすればいいか判断できるものなら、わざわざ一筆添える必要はないかもしれませんが、すぐに判断できないものは後回しにしたくなるのが人の気持ちというものです。
上司から部下へだって同じです。仕事に取りかかる前に確認しておきたいことがあるのに上司は留守がち、メールも電話もつながらない、一筆添えるだけで確認を待たずに進められることもあるかもしれません。
何かしらモノの受け渡しを行っているオフィスでの毎日、一筆添えることでコミュニケーションが円滑になり、その結果、仕事の効率まで上がるかもしれません。また、その習慣を続けることで、手紙を書くことに自然と慣れ、気がつけば筆まめに…。
周りを見渡してみると、一筆添える習慣のあるビジネスパーソンは意外に少ないのではなでしょうか?そう考えると、一筆添えるという習慣が、自分を強く印象付けるツールにもなってくれるでしょう。手紙ことはじめ、一筆添える習慣からはじめてみませんか。
一筆添えるのに便利な手紙道具
● 大きな付箋
● メモ
● 一筆箋
まずは色つきの紙のもの(白い書類の多いオフィスでは目立ちます)を用意することをおススメします。
例えば、文章が苦手な方であれば、書き始めの時候の挨拶が思い浮かばない、調べてみても何をどう使っていいのやら…なんて悩みを多く聞きます。そんなときは「@の紙選び」で補いましょう。時候の挨拶に代わる季節感のある紙を選べば、もうそれで季節を表現したことになります。
付箋やメモ、一筆箋は、さまざまなデザインのものが売られています。
相手との関係や状況を考えて紙をいくつか用意しておくのも楽しいかもしれません。
WRITER
大場 敦子 Atsuko Oba
+lab(プラスラボ(R)) クリエイティブディレクター
デザイン、印刷関連、雑貨店などの仕事を経て、株式会社山櫻で文具のブランド「+lab」のクリエイティブディレクターを務める。
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