手紙のススメ vol.2 苦手を補う、手紙をつくる5つの要素
株式会社山櫻のセカンドブランド +lab(プラスラボ)のクリエイティブディレクター 大場敦子さんによる連載企画「WATASHINO的 手紙のススメ」では、手紙もひとつのコミュニケーションツールでありビジネスツールであると考え、“「ワタシ」を印象付ける”をキーワードに手書きの手紙にまつわるコラムをお届けします。
手紙を書くことへの2つの高いハードル
「手書きの手紙」、もらうとうれしいしビジネスでも取り入れたい。けど…文才がない、字が下手だから恥ずかしい。手紙の講座を開くと受講生の方から必ず聞く2つのお悩みであり、手紙を書くことへの2つの高いハードルとなります。
実はこの高いハードル、手紙はすごく特別なもので、素敵な文章と美しい文字でつくられていなければならないと思い込んでいる、自分で高くしてしまったハードルなんです。
そもそも手紙をなぜ書くのか?
伝えたいことや、伝えたい気持ちがあるからですよね。素敵で美しい手紙に仕上げるために書くのではありません。
すこし想像してみてください、達筆過ぎる行書で書かれた手紙。
これをスラスラと読んでいくことができますか?
恐らく多くの人が美しく崩された文字がなんと書いてあるか解読できないでしょう(私も読めません…)。
これでは、伝えたいことが伝わりません。
読む側の教養がないから読めないんだと言ってしまえばそれまでですが、読んでもらえなければ手紙を書く意味もなくなってしまいます。
苦手を補う、手紙をつくる5つの要素
@ 紙(選ぶ)
A 筆記具(選ぶ)
B 文章(考える)
C 文字(手書きする)
D 切手(選ぶ・貼る)
5つの要素が完璧でなければいけないということではありません。
5つもの要素で手紙というひとつのツールが構成されているのですから、自分の苦手なところは得意な要素で補ってあげればいいと考えましょう。
例えば、文章が苦手な方であれば、書き始めの時候の挨拶が思い浮かばない、調べてみても何をどう使っていいのやら…なんて悩みを多く聞きます。そんなときは「@の紙選び」で補いましょう。時候の挨拶に代わる季節感のある紙を選べば、もうそれで季節を表現したことになります。
また、字を書くのが苦手な方であれば、筆記具に助けてもらいましょう。
文字を書くのが苦手な方ほど、自信のなさから小さな文字を書いてしまうことが多く見受けられます。
小さく書かれた文字は、読みにくさにもつながります。
そんな方は、なるべく太字のペン(A筆記具選び)を使うことをおススメします。
太字のペンを使うと画数の多い文字を書くときなど大きく書かなくてはつぶれてしまうため自然と大きな文字になります。大きな文字は読みやすさにつながるだけでなく、元気のよいハキハキした印象を与えます。
このように、苦手なことは他のことで補い、相手を思って丁寧に書くことで、グッと伝わりやすい手紙を書くことができます。まずは、手紙をつくる5つの要素を知って、書き始めるための気持ちのハードルを下げるところから始めてみましょう。
WRITER
大場 敦子 Atsuko Oba
+lab(プラスラボ(R)) クリエイティブディレクター
デザイン、印刷関連、雑貨店などの仕事を経て、株式会社山櫻で文具のブランド「+lab」のクリエイティブディレクターを務める。
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